車端部の様式(その2)


・方向幕表示機

 やはり、車両を見るときに忘れてはいけないのが方向表示でしょう。東北・高崎線系統にいる115系は、平成に入るまでサボを用いていましたが、現在では全て電動方向表示幕(通称「幕」)を完備しています。
 位置については、3位と4位、すなわち後ろの左右についています。と、115系は上野寄りのTcだけが上野寄りが1位・2位で、その他は黒磯寄りが1位・2位になので、連結した際に連結部をはさんで両方の車両にあるものと、片方だけにあるものとが出来ます。つまり、普通にM・M'・T車同士が連結されている場合は左側のみ、M車とTc車が連結されている場合は両方になってしまうのです。

 またデザインですが、書体は国鉄型車輛の幕に広く使われている国鉄独特の書体(ちょっと平べったい丸ゴチックで、独特の雰囲気があります)です。ただ、下りの場合のみ幕の地の色が高崎線系統と東北本線系統とで違っています。

方向幕[1](上野行)
上野 2000.11.11

方向幕[2](快速・上野行)
上野 2000.11.11

方向幕[3](小金井行)
上野 2000.11.15

方向幕[4](宇都宮行)
上野 2000.11.11

方向幕[5](快速・宇都宮行)
上野 2000.11.11

方向幕[6](籠原行)
上野 2000.11.11

方向幕[7](高崎行)
上野 2000.11.15

方向幕[8](快速・高崎行)
上野 2000.12.1

 前者が普通の白地に黒なのに対し、後者は緑地に白抜きという変わった色使いです(快速は行き先のところだけ緑で変な感じ)。実は昔はこのような区別はなかったのですが、2年ほど前から誤乗防止のためでしょうか、順次この幕に変えられて行きました。今では全て変わってしまいましたが、新前橋区の一部の車両にはまだ残っています。

方向幕[9](快速・宇都宮行、白地タイプ)
上野 2000.12.3

 昔はこれが普通だったんですが、緑地を見慣れてしまうと不思議な感じです(笑)。これは、どうやら2000年12月改正以前に普段東北本線に入らなかった車両にあるもののようで、小山区の車両と共通の幕を入れていても使わないため、あえて差し替えなかったのを、改正で東北本線に入るようになって使わざるを得なくなったものと思われます。

 また、幕の内容については、私が独自にクハ115‐130で調べたものがあるので、参考に下に挙げておきます。

1 回送
2 試運転
3 臨時
4 団体
5 急行

7 池袋
8 新宿
9 上野
10 赤羽
11 大宮
12 黒磯
13 宇都宮
14 小金井
15 日光
16 小山
17
18 熊谷
19 籠原
20 深谷
21 本庄
22 高崎
23 新前橋
24 前橋
25 伊勢崎
26 桐生
27 足利
28
29 大前
30 万座・鹿沢口
31 長野原草津口
32 渋川
33 沼田
34 水上
35 横川
36 越後湯沢
37 石打
38
39 通勤快速 上野
40 通勤快速 小金井
41 通勤快速 宇都宮
42 通勤快速 黒磯
43
44 快速 日光
45 快速 池袋
46 快速 新宿
47 快速ラビット 上野
48 快速ラビット 小金井
49 快速ラビット 宇都宮
50 快速ラビット 黒磯
51 快速ラビット 池袋
52 快速ラビット 新宿
53
54 通勤快速 籠原 
55 通勤快速 高崎
56 通勤快速 新前橋
57 通勤快速 前橋
58
59 快速アーバン 上野
60 快速アーバン 籠原
61 快速アーバン 高崎
62 快速アーバン 新前橋
63 快速アーバン 前橋
64 快速アーバン 池袋
65 快速アーバン 新宿

 本当、走行線区の特色を示してますね。始発駅の「上野」「池袋」「新宿」を除けばみごとに北関東ばかり、それもかなりの広範囲です。ただ、よく好事家の間で取り上げられるような珍妙な行き先の幕などはなく、比較的オーソドックスなもので揃えています。

・その他

 これらの他、新前橋の車両には車端部にゴム製のガードがついているものがあります。

車端部ガード
上野 2000.11.11

 恐らく、数年前から山手線で設置が始まった転落防止ガードを真似してのことだと思われますが、なぜ新前橋区の車両だけなのかは分かりません。

←前のページ 「その他外観の様式」→


「外観と車内設備」に戻る


Copyright(C) Masaki Tomasawa.