専属車時代のモ590形


 前のページでもお話した通り、1999年3月31日に新関〜美濃間が廃止になるまでモ590形はこの区間の専属車でした。ここでは、その時代のモ590形の姿をご覧下さい。

 

 

在りし日の新関〜美濃間区間運用につくモ592
(ワンマン運用中)
新関〜下有知間にて 1998.10.3

 

間合い運用で徹明町〜日野橋間の運用につくモ593
(ツーマン運用中)
徹明町にて 1998.10.3

 当時のモ590形はほぼ終日にわたって新関〜美濃間を折り返していましたが、運行間隔が1時間毎と路面電車では稀に見る閑散線区であることから交換もなく、動いているのは常に1両という状態でした。あと1両もいるにはいたのですが、ほとんど美濃駅の構内で寝ていました。
 もっとも、専属車とはいえねぐらは他の車輛と同じ市ノ坪なので、朝夕には回送を兼ねて新関以南にも出てきていましたし、専属車としての運用にあぶれた車輛が朝の10時くらいまで徹明町〜日野橋間の折り返し運用などにもついていたため、運がよければ岐阜市内でも見ることが出来ました。

 しかし、新関〜美濃間の赤字が著しく累積したことから廃止が決定し、1999年3月31日にこの区間自体が廃止になってしまいました。
 この際、専属車最後の仕事としてモ590形はさよなら電車となり、ステッカーをつけて廃止の日まで走りました。

モ592によるさよなら電車
新関にて 1999.3.31

 実はこの廃止で、モ590形自体がなくなってしまうのではないかという憶測がありました。何せ製造後40年以上が経っていますし……。
 しかし、蓋を開けてみてびっくり。廃車どころか、冷房改造にワンマン装置の取り替え、方向幕の取りつけまでやって全線運用に復帰するというではありませんか。ただその代わり、モ590形よりも若いはずのモ600形が廃車になることが決まってしまいましたが……。
 う〜ん、人生って何が起こるか分からんもんですねぇ(笑)。


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