車輛紹介
(2000年4月1日現在 その2)


《600V専用車グループ》

[1]モ590形(591〜593)

徹明町〜日野橋間の運用につくモ591
(冷房・ワンマン車)
2000.6.11

モ591の車内
2000.6.11

徹明町〜日野橋間の運用につくモ593
(非冷房・ツーマン車)
2000.6.11

モ593の車内
2000.6.11

 製造初年が昭和32年と、美濃町線では一番古株の車輛です。元は岐阜市内線に投入された車輛でしたが、のちに美濃町線に転属しています。パンタグラフ装備に大き目の車体、というちょっと昔の路面電車としてはイレギュラーなスタイルですが、見た目はまさに昭和30年代の路面電車で、そこはかとなく懐かしい雰囲気があります。
 駆動方式は当然釣り掛け式で、今時珍しい直接制御(制御回路を別に設けず、モーターに流れる電流を直接切り入れする制御方式)です。車内は馬鹿でかいマスコンハンドル(しかも回すとがりがりいう)と、木の床とペンキでごてごてに塗りたくられた内装とが、いかにも古い時代の車両という感じを与えます。ただ残念ながら車内燈は蛍光燈で、雰囲気に今一つ欠けるのが難点です。
 しかし、1999年12月の一部ワンマン化で一部の車輛がワンマン装置の取り替えと冷房化改造、方向幕の取り付けが行われることになり、現在改造が進んでいます。この改造により、前面に「乗降中」のLED表示機が取り付けられたり一部機器が取り外されたりなどの変化が起こり、また車内もワンマン装置の交換や運賃表示機・運賃箱の取り付けと放送装置や天井板の交換などの変化が起こっていますが、いずれも原型に大きく影響を及ぼすほどの変化ではありません。
 なお、オリジナル車の詳細な車内の様子については「モ590形車内(オリジナル車)」をご覧下さい。

 当初主力として全線を走っていましたが、新岐阜開業でターミナルとしての役目が徹明町から新岐阜に移り、昭和51年に徹明町方面専属車としてモ870形(後述)が投入された後は、ワンマン化改造されて末端区間(新岐阜〜美濃間)を細々と走るだけになっていました。ところが、1999年3月の新関〜美濃間廃止で思いがけず全線運用に返り咲き、現在ではモ870形と交代で徹明町〜日野橋間を走っています。
 なお、新関〜美濃間専属車時代の姿については「専属車時代のモ590形」をご覧下さい。 

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